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    (045) 平等と格差

    西田幾多郎著*「善の研究」の中に(本来は「実在」に関して述べられたものではあるが、)次のような一節がある。『平等の中に差別を具し、差別の中に平等を具する』
    人間社会にすべて平等などということはあり得ないことだから、そこに格差が生じ差別が生まれるのは当然といえば当然のことである。人は生まれながらにして不平等に生まれついている。

    身体能力の違い、体力の違い、頭脳の違い、欲望の度合いの違い、感情の持ち方の違い、何もかも同じものは一つもない。同じでないところに平等はありえない。平等と感じるか不平等と感じるかは人によっても違う。何もかも同じである世の中など想像だに出来ない。かりに想像出来たとしても、それは何ものも存在しない「無」の世界と言うことになるのではなかろうか。

    とは言え、我々は世の中の格差や差別に、時には涙し時には憤りを感じるのが人情というものである。それは格差や差別を感じる際の程度の問題ではなかろうかと思う。人間感情の許容範囲を超えたところに生じるものではなかろうか。世界の歴史はこの格差や差別がもとで争いを繰り返してきた。特に激しい経済的格差は後天的な政治や経済の仕組みによるところが大きく、一市民として何とか改善出来無いものかと願うものである。


    ※ 西田 幾多郎(にしだ きたろう):(1870年5月19日 - 1945年)日本を代表する哲学者


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